COLUMNS

コラム

介護福祉士になるには?試験概要や資格の取得方法を解説!

介護福祉士になるには?試験概要や資格の取得方法を解説!/わく&わーく(わくわーく)

介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。養成施設や福祉系高等学校を卒業したり実務経験を積んだりすることで国家試験を受験できます。

この記事では、介護福祉士になるにはどうすればいいのかを解説します。試験概要や試験に合格するためのコツまでご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 介護福祉士とは

介護福祉士とは、社会福祉士および介護福祉士法にもとづいて設けられた国家資格です。社会福祉法・介護福祉法では、介護福祉士に関して以下のように定義されています。

”介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。

出典:e-Govポータル|社会福祉士及び介護福祉士法

また、介護福祉士は介護の資格で唯一の国家資格で、この資格がなければ、キャリアアップの民間資格である「介護支援専門員(ケアマネージャー)」や「認定介護福祉士」の資格も取得できません。介護福祉士の資格を取得することで、介護を必要とする方の生活行為・生活動作を支援するための知識や技術を有したスペシャリストとして仕事に従事できるでしょう。

2. 介護福祉士になるには

介護福祉士の試験には受験資格が設けられているため、誰でも受験できるわけではありません。ここでは、介護福祉士になるための3つのルートをご紹介します。

2.1 養成施設ルート

高等学校または中等教育学校を卒業した方が指定養成施設を卒業後、介護福祉士国家試験に合格することで資格を取得するルートです。

養成施設を卒業するまでには、2年以上(1,850時間程度)の期間を要します。

2.2 実務経験ルート

3年以上介護などの業務に従事した方が実務者研修を修了し、介護福祉士国家試験に合格することで資格を取得するルートです。

実務経験を満たすまでに3年以上、実務者研修を修了するまでに約450時間程度の期間を要します。

2.3 福祉系高等学校ルート

高等学校または中等教育学校(専攻科を含む)にて福祉に関する所定の教科および単位数を修めて卒業後、介護福祉士国家試験に合格することで資格を取得するルートです。

福祉系の高等学校を卒業するまでには、約1,855時間程度の期間を要します。

3. 介護福祉士国家試験について

ここでは、介護福祉士国家試験の概要や難易度をみていきましょう。

3.1 介護福祉士国家試験の概要

介護福祉士国家試験の概要について、令和5年度の実施スケジュールを参考にみていきましょう。

出典:社会福祉振興・試験センター|介護福祉士国家試験
項目 詳細
願書受付期間 令和5年8月9日(水)から9月8日(金)まで
試験日 【筆記試験】令和6年1月28日(日)
【実技試験】令和6年3月3日(日)
合格発表日 令和6年3月25日(月)
受験手数料 18,380円
試験地(筆記) 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
試験地(実技) 東京都、大阪府

表をみると、介護福祉士の願書受付期間から試験日まで3~4カ月程度の期間があることがわかります。そのため、受験を決めた段階から試験日までスケジュールを立てて計画的に勉強することが大切です。

試験に受かるコツについて後述しますので、ぜひ参考にしてみてください。

3.2 過去3年間における介護福祉士国家試験の合格率

以下の表は、過去3年間における介護福祉士国家試験の合格率をまとめたものです。

実施年度 合格率
2022年度 84.3%
2021年度 72.3%
2020年度 71.0%

表をみると、合格率は約70〜80%で推移していることがわかります。受験者の約10人に7〜8人が合格しているというわけです。

ただし、誰でも簡単に取得できるわけではありません。受験資格を満たす必要があり、なおかつ後述する勉強のコツも踏まえて対策することが大切です。

4. 介護福祉士国家試験に受かるコツ

介護福祉士国家試験に受かるためのコツは、以下の3つです。

  • 得意分野を伸ばし苦手分野は最低限克服する
  • 過去問や予想問題集を繰り返し解く
  • 試験日の前日は十分に休む

ここでは、それぞれのコツを詳しくみていきましょう。

4.1 得意分野は伸ばし苦手分野は最低限克服する

介護福祉士国家試験は、出題される全分野にて得点をとる必要があるため、全分野で平均的に点数を稼がなければなりません。

とはいえ、勉強しているとどうしても得意な分野と苦手な分野はでてくるものです。その際、苦手分野を無理に克服して満点を目指す必要はありません。

得意分野で問題を落とさないようさらに知識を深め、苦手分野は解きやすい問題だけ間違えないよう最低限克服するといった方法が効率的です。得意分野で苦手分野をカバーできるよう対策しましょう。

4.2 過去問や予想問題集を繰り返し解く

試験対策をする際は、必ず過去問を数年分解きましょう。過去問は、試験問題の傾向や得意・苦手分野を把握するために役立つため、上手く活用すると勉強の効率を高められます。

また、試験本番は制限時間が設けられているため、本番を意識した勉強も大切です。その際は、解いていない過去問や予想問題集を活用して、本番と同じ時間で解きましょう。

試験本番を意識し、本番で緊張したり時間配分を間違えたりしないよう事前に対策することが大切です。

4.3 試験日の前日は十分に休む

介護福祉士の試験本番前日は、十分に休息をとることが大切です。試験前日で張り切り、最後まで追いこもうとする気持ちはわかりますが、生活を乱したり体調を崩したりして、本番で力を発揮できない事態だけは避けなければなりません。

決して無理をせず、試験日の前日は最低限の確認だけをおこなってください。これまで勉強してきた自分の実力を信じて、本番で実力を十分発揮できるよう前日はゆっくりと休みましょう。

5. 試験合格後の仕事内容

介護福祉士国家試験に合格した後、資格登録をすることで介護福祉士として従事可能です。介護業務をはじめ、介護方法や生活動作に関する説明、介護に関する相談対応などさまざまな業務にあたります。

仕事内容をまとめると、以下の通りです。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 相談・助言
  • 社会活動支援
  • チームマネジメント

現在、医師や看護師との連携が求められており、介護の専門知識・技術を有している介護福祉士の需要は高まっています。そのため、資格を取得することで企業から重宝される人材として活躍できるでしょう。

6. 介護福祉士のキャリアパス

介護福祉士を取得し、現場での経験を積んだ後でのステップアップとしては、ケアマネージャーや認定介護福祉士などが挙げられます。

ケアマネージャーは、厚生労働省が定める介護保険法に基づき、各利用者にあわせたケアプランを作成し提案する仕事です。資格を取得するまでに要件が決められており、取得することで仕事の幅を広げたり給与面で有利に働いたりします。

一方で認定介護福祉士は、2015年12月から設けられた民間資格で、介護福祉士の上位資格にあたります。取得することで、十分な介護能力やリーダーとして必要な能力、他業種との連携能力などを身につけたことの証明ができ、キャリアアップを狙えるのがメリットです。

このほか、経験を積んだ介護福祉士は、施設長や管理者を目指したり生活相談員として働いたりといった選択肢もあります。自分に理想とする条件を見直し、適したステップアップを目指すのがよいでしょう。

コラム一覧へ戻る